最新ニュース 最新&耳より情報をお届けするメールマガジン
◆◆◆プレスリリース◆◆◆

宮沢賢治生誕110周年
アニメーションの達人たちが5年の歳月をかけて作り上げた自主制作映画

ジブリがいっぱいCOLLECTION スペシャル
『セロ弾きのゴーシュ』
〜2006年7月7日(金)DVD発売決定!〜


ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントは、《ジブリがいっぱいCOLLECTIONスペシャル》より、2006年7月7日(金)、『セロ弾きのゴーシュ』のDVD(4,700円 税抜き/4,935円 税込み)を発売することを決定致しました。
同時に、同じく宮沢賢治原作『種山ヶ原の夜』のDVD(3,800円 税抜き /3,990円 税込み)も発売致します。

本作品は1975年、まだ劇場用アニメーションが少なかった時代、オープロダクション代表村田耕一氏の「日本人の原作をアニメーションにしよう」という発案により、脚本・監督 高畑 勲、キャラクターデザイン・原画に才田俊次、美術に椋尾 篁、音楽には間宮芳生という、一級のスタッフが参加して制作した劇場用アニメーション映画『セロ弾きのゴーシュ』をDVD化したものです。

当時すでに「太陽の王子ホルスの大冒険」「パンダコパンダ」をはじめとする名作アニメ−ションを監督していた高畑勲の脚色・演出は、原作の内容と味わいを損なうことなく、本格的日本名作漫画映画を実現させています。キャラクターは、「アルプスの少女ハイジ」「未来少年コナン」などの原画も担当した才田俊次が、原作からどこか素朴でユーモラスな味のあるキャラクターを作り上げ、それらを実に楽しく躍動させました。また、楽器演奏の描写という難題にも自らセロの奏法を学び、見事にこれを表現しました。また、「銀河鉄道999」「母を訪ねて三千里」などの美術監督をつとめ、斯界の第一人者といわれた椋尾 篁はやわらかで気品のある日本的な画調に、光と影の微妙な遠近法を加えて新しい独自の世界を創出しました。そして、音楽は「太陽の王子ホルスの大冒険」の音楽も手がけた、日本を代表する作曲家・間宮芳生が、原作にある「インドの虎狩り」や「愉快な馬車屋」を作曲しました。

様々な事情により幾度となく中断を余儀なくされつつも、制作をスタートした1975年から、5年の歳月をかけて1980年にようやく完成した『セロ弾きのゴーシュ』は、まさにアニメーションの達人達の努力の結晶といえます。この映画の初上映は、同年9月、花巻市の賢治祭りでのこと。その後、1981年度毎日映画コンクール大藤賞を受賞。また、文部省をはじめとする推奨を受け、全国の子供たちへ向けて上映されてきました。そして、宮沢賢治の生誕110周年、初上映から25年目のこの夏、DVDが≪ジブリがいっぱいCOLLECTIONスペシャル≫に加わります。


青春映画としての「セロ弾きのゴーシュ」

監督 高畑 勲


賢治の考えていたゴーシュは決してかけだしの新米演奏家ではなく、前に別の楽団にいたこともあるウダツの上がらぬ職業楽士でした。長年のヘボ楽士が突然名人に変貌する。そこには寓話としての強さと明快さがありますが、私達はやはり自分たちの素直な読みに基づいてゴーシュを煙草を吸うには若すぎるくらいの青年にせざるをえませんでした。
 私達は、ゴーシュという下手なセロ弾きの中に、内気で劣等感が強く、それでいて自尊心を傷つけられることには敏感だった自分達自身の青春時代の思い出や、対人関係に極度に臆病なあまり、無愛想で無表情にみえるまわりの青年達の似姿を見出したのです。
 ゴーシュが楽長に叱られた晩、猫に怒りを爆発させる気持ち、それが私達には実によくわかります。あれは、ゴーシュの精神衛生上絶対に必要だったのです。おそらくゴーシュは人前では怒ることも出来ずに来たにちがいありません。彼の生み出す音楽は、単に技術未熟のせいばかりではなく、心が開放せずに内向しているからこそ、萎縮してのびやかさに欠けているのです。楽長が「表情ということがまるで出来ていない」と評するのも当然です。しかしこの晩からゴーシュは迷惑がり怒りながらも動物たちを受け入れ、次第に心がほぐれていきます。内気な人付き合いの悪い人が子供や動物とは上手に遊べる例がよくありますが、動物達はゴーシュの心のウォーミングアップにまたとない相手をつとめてくれたのです。
 私達は「セロ弾きのゴーシュ」をただ芸術家に固有の物語と考えたり、そこで語られているテーマを芸術論だけに限定するのは間違いだと思います。もっと普遍的な受け止め方があると思うのです。
―ごく平凡な青年がある目的に向かって突進していくとき、自分の目的に係りがないとはいえないが、むしろ邪魔なこととしか思えない出来事に見舞われ、人と出会う。青年は迷惑がりながらもその出来事や人を受け入れざるを得ない。そして青年の心にいつしか真の自発性と他者への愛が生まれ、その力によって青年が飛躍的な成長を遂げるが、本人はまったくそれを自覚していない。まわりの人が青年の成長におどろき、それを指摘しても青年には信じられない。だがそれが疑いようもなくなった時、あのときの出来事が一瞬にして青年の脳裡によみがえり、その意味の深さを悟って深い感動にとらえられる。人生の重大な転機は往々にしてこのように訪れるものだ―。
 楽団で一番下手な楽士、セロ弾きのゴーシュとは自分自身のことであり、すべての青年のことです。だからこそ私達はゴーシュの奇跡的上達をともに心から喜んでやりたい。原作の素晴らしい幕切れ、あの深々とした余韻をたとえ犠牲にしてもゴーシュをいくらかでも孤独から救い出したい、ゴーシュに人間に入っていってほしい、青年はそうして成長していくのだし、音楽こそは人と人の心をつなぐ最大の武器なのだから・・・。私達はこういう思いで映画のラストシーンを構成したのでした。
映画「セロ弾きのゴーシュ」は、親と子のための楽しいメルヘンであり、音楽への愛と芸術の厳しさ暖かさを物語るものですが、私達にとって主観的には青春映画でもあります。
親離れ=自立に向かって苦闘している中高生や青年達にもぜひ観てもらいたいと願う次第です。


◆商品データ◆
※商品の仕様は変更になる場合がございます。
『セロ弾きのゴーシュ』
【発売日】2006年7月7日(金)
【発売元】ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント
【ブランド】ジブリがいっぱいCOLLECTIONスペシャル
       1980年製作/カラー/本編約63分

■セル用商品
<DVD>
『セロ弾きのゴーシュ』(2枚組)

【価格】4,700円(税抜き)/4,935円(税込み)
【商品仕様】片面2層/アマレーダブル
        [音声]オリジナル(モノラル)
        [字幕]日本語字幕/英語字幕
【映像特典】1. 絵コンテ映像
        2.「賢治と音楽とイーハトーブ」〜賢治が聴いた‘交響曲第6番’(仮題)
        3.劇場予告編
        4.スタッフインタビュー (80分)
         高畑勲・村田耕一・才田俊次・窪田忠雄インタビュー
        5.カラーキャラクター設定・ストーリーボード・美術ボード


■スタッフ
企画:小松原一男
製作:村田耕一
原作:宮沢賢治
監督・脚本:高畑勲
キャラクターデザイン・原画:才田俊次
美術:椋尾篁
音楽:間宮芳生
DVD制作:スタジオジブリ

■キャスト
ゴーシュ:佐々木秀樹
楽長:雨森雅司
ねこ:白石冬美
かっこう:肝付兼太
子だぬき:高橋和枝
野ねずみの母:高村章子
野ねずみの子/ヴィオラの娘:横沢啓子


◆『セロ弾きのゴーシュ』受賞歴◆
●1981年度毎日映画コンクール大藤賞 受賞
 (1981年度文部省選定映画)
 (日本映画ペンクラブ推薦映画)
 (優秀映画賞会推薦)
ニュース一覧へ戻る
ページトップ